ナイト!
ーー明らかに、周りの空気が変わった。
結衣の両親は困惑してるし、赤崎真衣は睨んでるし、赤崎の社長は怒り狂ってる。
結衣の顔はここからでは見えなかった。
でも凛ちゃんは怯むことなく、背筋を伸ばしてただ立っていた。
「君じゃ話にならん。おい、ここの総支配人を呼んでこい。この子たちをこの場所から出すんだ」
「私でしたらここにおります」
「早いな」
「高校生が走っていたと小耳に挟みましたので…」
別扉から現れたスーツを身にまとった男性は、こちらに近づくなり凛ちゃんの斜め後ろに立つ。
さすがに総支配人が現れたとなると、僕たちもここにはいられないな…。