ナイト!
「坂口殿、我々は業務に戻らせていただきます」
「はい、今日はお嬢様の手が無理なようですので…」
「わかっております。凛様不在を乗り越えられずして、ジェネラルマネージャーをやれません」
「さすがです」
凛ちゃんに名刺を渡した人は、ジェネラルマネージャーって言ってるから、総支配人なのか。
様付けって…やっぱり凛ちゃんは只者ではない。
「ご学友の皆様も、本日はお引き取りください」
「わかってます…」
「結衣様なら、東雲の者が送りますので」
そう言われると、なんとも言えなくなる。
ここで反論することできないのがわかってるからなのか、あのマサですらだんまりだ。
「じゃあ、また今度」
「はい」
南雲家の車に乗り先に出て行く結衣の両親。
「あいつら、大丈夫なのかよ…」
ボソっと呟いたマサの言葉に耳を貸しつつも、黙って行きに乗って着た車に乗る。
「俺はただ、結衣と凛ちゃんが結ばれれば、それでいいと思う」
僕も、それを願ってる。