ナイト!
「世界進出だと…」
「そんなことを考えておったのか」
「しかしなぜ、東雲に」
誰も聞かされていなかったことがわかるくらい、動揺している。
「現代はグローバル社会です。日本ではそれなりの地位を確立している南雲でも、世界を相手となるとまだ力が弱い」
「世界進出ですか…。確かに僕たちは世界各国に用人はいますが、今すぐどうこう出来る人たちではありませんよ。特に南雲が関わる分野の人達は強者揃いですよ」
「それはわかってます。元々すぐ出来るとは思ってません。私だけでは無理でしょう。ただ、結衣なら出来ると思ってます」
「結衣くん?」
「そうです。東雲との交渉相手は私ではなく、結衣ということで」
「でも結衣には荷が重すぎるのでは?」
「大丈夫です。あなたと同様、私も息子のことを信頼していますから」
この会議室にいる人達の目線が一斉に向けられた南雲くん。