ナイト!
急いで荷物を整え、校門前に停まっている車に乗り込む。
「…遅い」
「ごめん、ごめん」
今日も綺麗な黒髪に、誰よりも醸し出す雰囲気の強さ。
南雲くんは、相変わらずかっこいい。
「生徒会忙しいのか?」
「総会の準備があるからね」
「ふーん」
「ふーんって!」
「圭人に任せとけば大丈夫だろ」
南雲くん家の高級ベンツ。
運転手さんと、南雲くんと、あたしだけ。
新学期始まってからずっと、いつも帰りは南雲くんが送迎してくれる。
いらないって言ったけど、南雲くんなりの気遣いだと気づいているから。
一緒にいれる時間が少ないことを、少しばかり気にしていることを。