ナイト!
「ーー母さん」
コホンと咳払いをして、世羅さんの話を止めた東雲蓮。
「てへ。話し過ぎちゃったかな」
自覚はあるらしい…。
「そろそろ」
「もうそんな時間!?」
慌てた様子で立ち上がる世羅さんと、スッと荷物を持つ東雲蓮。
「もう帰るのか?」
「すいません、次の予定があるので…」
「おお、そうか。また来るとよいぞ」
「理事長先生も、凛ちゃんをお願いします」
「うむ」
「あと、みんなも。凛ちゃんをよろしくね」
世羅さんに言われたら、断れないだろう。
断るつもりもないのだけれど。
「南雲結衣」
ドアへ向かっていたはずなのに、足を止めて振り向いた東雲蓮。
彼は結衣を見ていた。