ナイト!
でもそれだけ、桃乃ちゃんは茅野くんが好きだったんだろうな、離れたくなかったんだろうなって思う。
彼女だって、南雲家の令嬢として生まれてきたことを後悔したことだってあったかもしれないのに。
だから茅野くんは、あたしに行動を起こさせたのかもしれない。
桃乃ちゃんがそうだったように、悩んで考えて諦めるだけじゃなく、行動を起こさないと始まらないって。
桃乃ちゃんは、強い子だ…。
「それよりも、あいつのどこがいいのかわかんね」
マサはまだ茅野くんに彼女がいることを認められないのか。
「人の好きこのみだろ」
「でもあいつだぞ!?」
「なに、マサ、桃乃ちゃんに惚れたの?」
「ちげぇよ!」