ナイト!
「でもの、結衣はそもそも我々裏の人間に狙われてもおかしくはないからの」
「それは紫苑さんの子供で、理事長の孫、馬酔木組の血筋だからですか?」
「そうじゃ。南雲の人間でもあるが、見方を変えれば馬酔木組の人間でもある。でも大方の組は結衣を狙うようなことはせぬ」
「まあ、南雲が相手なら…」
「そうじゃ。でもその一橋の若造は、南雲は関係なく、結衣を狙っておるのじゃ」
つまり馬酔木組というより、結衣自体に恨みがあるのか…ないのか…。
結衣の事だから大丈夫とは思うけど…。
「もし結衣に何かあれば、そいつ、許さない」
珍しく仁くんが怒っている。
結衣のことにはあたし以上に敏感かもしれない。
仁くんは結衣を護りたいと思ってるから、特に。