ナイト!




ーーーーー…




「一橋組のご子息、一橋リキは凛お嬢様や南雲殿よりも一つ上のお年で都内の高校に通われています。噂ではさすが極道の息子というような佇まいで恐れられているとのことです。幼少期より一橋組と敵対している馬酔木組の血縁者であり都市の近い南雲殿とは様々な面で比べられており、恨みを持つには十分です」

「……なんで一橋組のこと調べてるのよ…」

「学園の方からお電話がありまして。きっと凛お嬢様も知りたがっているだろうと思いまして」

「相変わらず仕事が早いのね、坂口さんは」

「もちろんでございます」




理事長から一橋組のことを聞いたその日は、ホテルの仕事ではなく東雲の令嬢として、大物資産家のホームパーティーに呼ばれていた。



いまはその方のお家に向かうリムジンの中。

付き人として坂口さんも同席。



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