ナイト!
「んじゃ、俺帰る」
「もう帰るのか?ばぁばは孫との戯れを…」
「そんな冗談よせよ。俺にだって用があるっつーの」
「それなら仕方あるまい」
この理事長、孫にだけは本当に甘い。
甘やかしてるわけではないけど、彼だけには反論できない。
南雲結衣は俺とすれ違い、扉に向かう。
「あ、そうだ」
足を止め、こちらを振り向く。
「七瀬 凛、新しい生徒会長、気に入った」
そういうこの男の笑みは、なぜか怖く感じた。
と、同時に、ある一つの仮説がたつ。
パタンとしまった扉を見つめながら、俺は止まったままだった。
「ほぉ。あやつが興味を湧く存在か。面白いことになるぞ」
何かが始まる、瞬間だった。
***