ナイト!



あの日から数日経ち、何も変わらない日々が続いた。


結衣が戻ってくるまであと少し。


仕事は忙しいけど受験生だからと支配人達が気を利かせてくれて、放課後も学校で勉強してから帰る日が続いていた。




「吹雪がケーキ用意してるってさ」

「勉強した後はやっぱり甘いものだね」



放課後この時間まで残ってるのは受験組だけ。

だから順平くんと帰ることも増えた。


といってもお互い車通学だから、ほんのすこしだけだけど。



今日は珍しくほかの3人も旧図書館にいるということで、久しぶりにそっちに向かう。




結衣が帰ってくるまで何もなければいい。



ただそれだけだったのに。




「でさぁ…」



歩いている順平くんが話している声が聞こえない。

それもそのはずで、あたしは立ち止まったから。




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