ナイト!
腕をほどいた結衣は、今度はジッと顔を見つめてくる。
「あんまり、無理するなよ」
「…うん」
もう、結衣に心配かけないようにしよう。
「よろしいでしょうか」
間を見計らったように、坂口さんがやってくる。
「結衣様、お迎えの方がいらしてます」
「あぁ、もう時間か」
結衣…もう行っちゃうのか…。
会えたの、ほんのちょっとじゃん…。
「凛、また来るから」
「うん…」
離れたくないなぁ…。
でも結衣は帰国したばっかりだろうし、疲れてるよね。
でもやっぱり、なんか寂しい。
「ねぇ、結衣」
「ん?」
「頼みがあるんだけど…」