ナイト!



「結衣に何もなくてよかった…」

「俺はただ指示を出してただけだし、俺を護るって仁がずっとついてたし。それに」

「それに?」

「お前が待ってるって思ったから」

「っ…」



なんでここであたしが出てくるのよ…。

急に恥ずかしいじゃん。



「あのね、結衣はあたしみたいになんて言ってるけど、あたしは結衣みたいにいろんな人を束ねたりできないんだよ」

「……」

「仕事で任されてることとか、家が関わることとかならどんなことでもできるけど、自分のテリトリーの範囲でしか使いこなせない」

「……」

「でも結衣みたいに自分のテリトリーの範囲を超えたものをちゃんとまとめて適切な指示ができて、そしてちゃんとみんな力を貸してくれる人がいるのもすごいと思うよ」




あたしは東雲の中でしか動けない。

でも結衣は南雲の外でも動いていける。




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