雨のち晴れ
お父さんへ
お父さんお誕生日おめでとう。お父さんに手紙を書くのは、何年ぶりだろうね。面と向かって言うのは、とても恥ずかしいから手紙を書きました。いつも、私のことを心配してくれてありがとう。いつも、私のために働いてくれてありがとう。いつも、笑っていてくれてありがとう。お父さんが笑っていてくれると、とても安心します。なぜかあたしも笑顔になれます。
私を見捨てずにいてくれてありがとう。いっぱい心配かけて、いっぱい迷惑かけたのに。本当にありがとう。
こんな私だけど、これからもよろしくね。
これからは少しづつ、私がお父さんに何か恩返しができたらと思っています。私、頑張って働く。これからも、私が恩返しを終えるまで長生きしてね、お父さん。
春菜より



和也の視界が滲んで見えなくなる
ぽつぽつと、春菜が書いた文字に涙が落ちた


そして和也は涙を流しながら、いつまでも手紙を抱きしめていた
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