雨のち晴れ
ふと気づくと
春菜の目の前には橘が立っていた


「良かったぁ。心配したよ」

橘はほっとしたように春菜に話しかける
自分がベッドの上にいることに気づき、春菜は感づいた


「先生…私…」


「貧血だって。和也さんにも連絡したけど、仕事が忙しくて抜け出せないって。でも、すごく心配してたよ。」


「私また…」

「大丈夫。ゆっくりでいいんだ。だから自分を…責めたりすんな」


橘は春菜に優しく笑いかけた


それでも
春菜は自分を責めた
和也や橘の期待に応えられない自分が歯がゆくて仕方なかった
< 142 / 200 >

この作品をシェア

pagetop