雨のち晴れ
「でも、わかってるの…頭では。こんな生活早く終わらせなきゃいけないって。いつまでも、過去を引きずっていちゃいけないってことも。
でも…体が追いつかないの。先生、私怖いんです。朝が来ることが怖いの。眩しい太陽を見ると、あの頃のことを思い出して、胸が苦しくなるんです」

春菜は胸を押さえ、また話を続ける


「先生、私怖いんです!外に出ることが怖いんです。たくさんの人の中にいると、あの頃のことを思い出して、震えが止まらなくなるんです」


春菜の手は震えていた


「もう、どうしたらいいのかわからないよ先生。どうしたらいいの。助けてよ、先生。助けて」
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