-悪魔が紡ぐ恋の唄-
「あ、あの……」
人間が
希蒼に言った。
淡い栗色の長い髪。
白い肌に、大きな瞳。
綺麗な人だった。
「…あの、大丈夫
ですか?」
人間の声で希蒼は
引き戻された。
「あ、そっか。
日本語通じないよね」
と、変なことを
つぶやいたかと思うと、
今度は何かを
考え始めた。
…静止すること
約30秒………。
人間は急に
閃いたように
手を叩いた。
そして自信満々に言う。
「ボンジュール?」
「……は…………??」
しばしの沈黙。
後、希蒼が立ち上がる。
「あ、ちょっと……」
人間を無視し、
180度回転すると
そのままスタスタと
立ち去る。