ラブレター
1章
白沢ほのか
「ねぇ聞いた?転校生来るって。イケメンの」
うん。興味ない。
私は近くで喋っているクラスメイトの話しを無視するために音楽プレイヤーの音量を上げた。
私はたいていのことに興味がない。
私が興味があるのは、小説の犯人が誰であるか、と、誰もしらないであろう私の好きなアーティストの新曲だけ。
「白沢さん、なんか情報得てない?」
私は何も言わずに小説の続きに目を走らせる。
『キーンコーンカーンコーン』
チャイムが鳴り、各々が席に戻り始めた。
私は音楽プレーヤーをとめて、小説を再び読み始めた。
*****
先生が入ってきて、私は目を上げた。
「転校生を紹介する」
そう言って先生はドアのほうに目をやって、手を動かし、入ってくるよう合図をした。
1人の男の人が入ってきた。
その人は軽く一礼をした。
「神崎 翔(かんざき しょう)です。親の都合で編入してきました。近くのおいしいお店とかバイト先とかあったら教えてほしいです」
「じゃあ空いてるとこ座って」
そう言って先生が朝の連絡を始めた。
私は耳を傾けながら、再び小説に目を落とした。
*****
「ふぁ…」
私は大きな欠伸をした。
お昼休みになり、ふとあの転校生が気になった。
教室にいないことがわかり、私は1人でお弁当を広げて小説を読みながら食べ始めた。
「なに読んでるの?」
私は話しかけられて、音楽プレーヤーで耳を塞いでいないことに気づいた。
聞こえていないふりが出来ずに仕方なく顔を上げた。
「ここ、いい?」
そこにいたのはあの転校生だった。
私は断る理由もなかったから許可した。
「んで、なに読んでるの?」
とメロンパンをかじりながら聞いてきた。
「小説」
「なんの?」
「推理」
「俺もよく読むんだよ。おすすめとかあったら教えてよ」
「はい」
どうしてここに座ってるんだろう。男子なんだから男子のとこいけば良いのに。
断る理由がないから仕方ないのだけれどさ。
お昼休み終わるまでここにいるのかな。
「ん?俺の顔になんかついてる?」
私は考え事をしている間、ずっと彼のことを見ていたみたいだ。
「はい」
「え?なに?」
「メロンパンのカスが」
と私が真面目に答えると、彼は大爆笑をした。
「名前は?」
ひとしきり笑い終わると、思い出したかのように聞いてきた。
「白沢」
うん。興味ない。
私は近くで喋っているクラスメイトの話しを無視するために音楽プレイヤーの音量を上げた。
私はたいていのことに興味がない。
私が興味があるのは、小説の犯人が誰であるか、と、誰もしらないであろう私の好きなアーティストの新曲だけ。
「白沢さん、なんか情報得てない?」
私は何も言わずに小説の続きに目を走らせる。
『キーンコーンカーンコーン』
チャイムが鳴り、各々が席に戻り始めた。
私は音楽プレーヤーをとめて、小説を再び読み始めた。
*****
先生が入ってきて、私は目を上げた。
「転校生を紹介する」
そう言って先生はドアのほうに目をやって、手を動かし、入ってくるよう合図をした。
1人の男の人が入ってきた。
その人は軽く一礼をした。
「神崎 翔(かんざき しょう)です。親の都合で編入してきました。近くのおいしいお店とかバイト先とかあったら教えてほしいです」
「じゃあ空いてるとこ座って」
そう言って先生が朝の連絡を始めた。
私は耳を傾けながら、再び小説に目を落とした。
*****
「ふぁ…」
私は大きな欠伸をした。
お昼休みになり、ふとあの転校生が気になった。
教室にいないことがわかり、私は1人でお弁当を広げて小説を読みながら食べ始めた。
「なに読んでるの?」
私は話しかけられて、音楽プレーヤーで耳を塞いでいないことに気づいた。
聞こえていないふりが出来ずに仕方なく顔を上げた。
「ここ、いい?」
そこにいたのはあの転校生だった。
私は断る理由もなかったから許可した。
「んで、なに読んでるの?」
とメロンパンをかじりながら聞いてきた。
「小説」
「なんの?」
「推理」
「俺もよく読むんだよ。おすすめとかあったら教えてよ」
「はい」
どうしてここに座ってるんだろう。男子なんだから男子のとこいけば良いのに。
断る理由がないから仕方ないのだけれどさ。
お昼休み終わるまでここにいるのかな。
「ん?俺の顔になんかついてる?」
私は考え事をしている間、ずっと彼のことを見ていたみたいだ。
「はい」
「え?なに?」
「メロンパンのカスが」
と私が真面目に答えると、彼は大爆笑をした。
「名前は?」
ひとしきり笑い終わると、思い出したかのように聞いてきた。
「白沢」