S P E R O
隊長が短くなってきた葉巻を地面にぽいっと投げ捨てて、葉巻に付いていた微かな火を足で踏みつけて消した。
そして、部下達に話をし始める。
「お前達よ、俺の話を今から良く聞いて、喜ぶがいい!SPEROと刻まれた不思議な銀の玉のありかが、ようやく分かったぞ!」
ざわついていた部下達が一斉にしんと静まり返る。
隊長は話を続けた。
「俺たちが今ここにいる場所から200キロメートル先の町に住むフェリクスという若い男がその銀の玉を持っている。よりによって、そいつは今日の昼からユリアという娘と婚礼の儀式をするらしい。絶好の狙い時だ、全部ぶち壊して、SPEROの銀の玉を奪い取るんだ!」