S P E R O
アレクサンドリアは真っ暗になった家の中で再びランプに火を灯そうとしていた。
ようやく、小さな明かりが灯りうっすらと周りにいる人達の顔が分かった。
外からの悲鳴は絶えず聞こえ、フェリクスとユリアは身を寄せ合って怯えていた。
アレクサンドリアが「何が起こっているのか、少し外を見てくるよ。母さんは家の中でフェリクスとユリアを守っていてくれ!」と言い腰に剣を携えて家のドアを開けようとした。
と、その時――。
ドアを勢い良く足で蹴り家の中へゾルビフの部下が一人入って来た。
ゾルビフの部下がギョロリと近くにいたアレクサンドリアを睨む。
アレクサンドリアは身構えてゆっくりと腰から剣を抜き取ろうとしていた。