さくらへようこそ
「えっ?」

ノゾミが聞き返した。

「今日、ノゾミちゃんの大学の卒業式だったじゃん」

そう言った上野に、ノゾミは思い出したと言う顔をした。

「だけど、ノゾミちゃん卒業式に出席しなかったでしょ?

でも俺らは祝いたかったんだ。

ノゾミちゃんが大学生活を頑張ってきたこと、これからの社会人生活を楽しく過ごせますように…って」

ノゾミは手で口を隠すようにおおった。

「もうさ、ノゾミちゃんは1人じゃないんだよ」

ポンと、彼女の頭に安部の手が乗った。
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