さくらへようこそ
「また椅子をぶっ壊されたらたまったもんじゃない」

毒づくように言った美桜に、上野は小さくなった。

この場にいる全員がビールの入ったグラスを持ったことを確認すると、
「それでは…ノゾミちゃんの大学卒業とこれからの社会人生活を祝して、カンパーイ!」

美桜が音頭をとった。

「カンパーイ!」

楽しいパーティーが始まった。

作ったばかりの料理を盛りつけている美桜に、
「さくらさん」

大倉が話しかけてきた。

「はい」

美桜は手を止めると、大倉に視線を向けた。
< 110 / 167 >

この作品をシェア

pagetop