さくらへようこそ
「おい、一体どうしたって言うんだよ?」

工場長が慌てたように美桜に声をかける。

「この人を早く奥のトイレの方に連れてって!」

美桜が叫ぶように言ってトイレの方向を指差した。

「えっ、マジか!?」

レコード店が慌てて聞き返した。

「マジですから、早く!」

美桜は男を支えていた工場長とレコード店を離すと、彼の手をひいてトイレへと案内した。

「吐くんだったらここで吐いてください!」

美桜は男をトイレへと放り投げると、ドアを閉めた。

これで、最悪の事態から免れたことに成功した。
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