さくらへようこそ
事態から免れたことはよかったのだが、
「おいおい、大丈夫か?

あれから1時間も経ってるぞ?」

不動産屋が言った。

男をトイレに放り投げて1時間が過ぎたところだった。

「まさか…死んでるってことはないですよね?」

そう言った校長先生に、
「おいおい、縁起でもないことを言うんじゃないよ」

工場長がたしなめるように言った。

「でも、1時間も出てこないって言うのはちょっとおかしいんじゃないかな?」

そう言ったレコード店に、
「じゃあ、様子見てきます」

美桜はトイレの方へ向かった。
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