さくらへようこそ
コンコンと、トイレのドアをたたく。

「もしもーし、大丈夫ですか?」

声をかけても、男からの返事はない。

「もしもーし」

もう1度コンコンとドアをたたいて、男に声をかける。

返事が返ってくることはなかった。

「まさか…ね?」

かなり飲んでいたところを見ると、もしかしたら急性アルコール中毒か何かを起こして…。

美桜はいても立ってもいられなくなり、失礼とはわかっていながらもトイレのドアを開いた。

「きゃっ!」

ドアを開いたとたん、倒れてきたのは男だった。

「えっ、ちょっと…大丈夫ですか!?」

男を起こして意識の確認をしようとしたら、寝息が聞こえた。
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