さくらへようこそ
「秋刀魚?

へえ、それはいいねー。

10本ほどもらおうかな」

美桜はパンと手をたたいた。

「はい、秋刀魚10本ね」

「おっ」

美桜が隅の方で積み重ねられている発砲スチロールに気づいた。

「これは何かしら?」

「あっ、さくらちゃん…」

おじさんの声を無視して、美桜は発砲スチロールのふたを開けた。

「へえ、メヒカリかー。

酒の肴(サカナ)にはもってこいだねー」

うんうんと首を縦にうなずきながら吟味している美桜に、
「やれやれ、さくらちゃんの目はごまかせないよ…」

おじさんは困ったと言うように頭を抱えた。
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