さくらへようこそ
同時にカランカランとベルが鳴って、
「こんにちは、よろしくお願いしまーす…って、皆さん何をそんなに笑っているんですか?」

輝が現れた。

「いやー、不動産屋の新人がやらかしたドジ話がこれまったおもしろくってさー」

笑いながら言った工場長に、
「えっ、どんな話ですか?」

輝が不動産屋に聞いた。

いきなり話を振られた不動産屋は、
「あのさ、連絡の時に大切な「ほう・れん・そう」って言う言葉があるじゃない?

報告の「ほう」、連絡の「れん」、相談の「そう」の」

うまく乗っかってくれたことに美桜はホッと胸をなで下ろした。

「ああ、ありますね」

輝がうんうんと首を縦に振ってうなずいている。

「最近入ったばかりのうちの新人がさ、何を勘違いしたのかスーパーでホウレン草を買ってきちゃったんだよ。

はい、ホウレン草です!なんて渡された時には参っちゃったよー」
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