さくらへようこそ
輝はプッと吹き出すと、
「それ、ホントなんですか?」

笑い出した。

「ホントだからみんなに聞かせているんじゃないかー」

不動産屋は笑いながら返した。

「全く、その新人も「ほう・れん・そう」の意味を調べてくればいいのによー」

工場長も笑っている。

「ですよねー」

そう返した輝も笑っていることに、美桜はホッと胸をなで下ろした。

美桜はそれまでコトコト煮込んでいた鍋のふたを開けると、
「はい、できましたよー。

今日のメインはホウレン草と油揚げの煮物でーす」
と、言った。
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