さくらへようこそ
大倉は持っていた箸を置くと、
「これは失礼しました」
と、常連客たちに一礼した。

「初めまして、大倉璃水と申します。

茶道の講師をしております」

大倉が自己紹介をした後、また一礼をした。

茶道家だから丁寧だったのかと、美桜は納得した。

「茶道家さんでしたかー」

工場長が納得したと言うようにうなずいた。

「横山さんとは今朝親しくなって、ここへきました。

看板がないから店の前を1回素通りしてしまいましたが」

大倉はフフッと静かに笑った。
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