さくらへようこそ
「このお店は、一見さんはお断りと言うシステムですからね。

誰かの紹介じゃない限り、当店では初めての人はお断りしているんです。

だから表には看板が出ていないんですよ」

安部が大倉に言った。

「あの、そちらの方は…?」

大倉が安部に気づいたと言うように聞いた。

「アルバイトの安部です。

この町で雑貨屋を経営しています」

安部が大倉の質問に答えた。

「そうですか」

大倉は一言返事をした。

「さくらさん」

安部が小さな声で美桜を呼んだと思ったら、また肘でつついてきた。
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