さくらへようこそ
「何て言うか…都会から切り離されたって言う感じがしますね。

同じところに住んでいるはずなのに、全然違います」

「そうですか」

美桜はフフッと笑った。

「あ、さくらちゃーん」

その声に視線を向けると、八束麻子(ヤツカアサコ)が手を振っていた。

彼女は美桜の1つ年上で、この町で花屋を家族と一緒に経営している。

「あら、麻子ちゃん」

美桜は麻子に向かって手を振った。

麻子は嬉しそうに美桜に駆け寄った。

「南田くんのところに行ってたの?」

美桜の質問に、
「うん、お昼届けに」

麻子は笑いながら答えた。
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