迷いの森の魔女
がさ、がさ…
自分の背程もある草を腕で払いのけ、ジークは汗を拭いながら歩いていきます。
幾度か休みを取りながら歩き続けますが、目の前にあるのは草木のみ。人が歩いたと思しき道もなければ獣が通った道もない、ましてや魔女の住処など見つかる筈もありません。
「あぁ、戻って来てる…のか」
上がる息を整えようと傍の木に手をやれば、通った印としてナイフで刻んだ×印が目に入ります。
ジークはどうしようもない疲労感に襲われ、ずるずるとその場に座り込みました。
「ここで、死ぬのか。もっと好きに生きれば良かったな」
ぽつりと漏らした弱音に、目の前が霞むのがわかりました。
こんなとこで泣いてどうすると目元を擦りましたが、視界はぼやけたまま戻ることはありません。ジークは慌てて何度か瞬きします。
「なん、…うっ…」
霞んだ視界がぐにゃりと歪み、脳を揺さぶられているような感覚を覚えました。
酷い吐き気に口元を押さえます。
自分の背程もある草を腕で払いのけ、ジークは汗を拭いながら歩いていきます。
幾度か休みを取りながら歩き続けますが、目の前にあるのは草木のみ。人が歩いたと思しき道もなければ獣が通った道もない、ましてや魔女の住処など見つかる筈もありません。
「あぁ、戻って来てる…のか」
上がる息を整えようと傍の木に手をやれば、通った印としてナイフで刻んだ×印が目に入ります。
ジークはどうしようもない疲労感に襲われ、ずるずるとその場に座り込みました。
「ここで、死ぬのか。もっと好きに生きれば良かったな」
ぽつりと漏らした弱音に、目の前が霞むのがわかりました。
こんなとこで泣いてどうすると目元を擦りましたが、視界はぼやけたまま戻ることはありません。ジークは慌てて何度か瞬きします。
「なん、…うっ…」
霞んだ視界がぐにゃりと歪み、脳を揺さぶられているような感覚を覚えました。
酷い吐き気に口元を押さえます。