また、キミに逢えたなら。
それにゆっくりしろって言ったくせに、宿題なんかしてたら出来やしない。
「お兄ちゃんも何とか言ってよ」
諦めのつかない私は、すがるような目でお兄ちゃんを見た。
こういう時、頼りになるのは異性のお兄ちゃんなんだ。
「今回は母さんの言う通りだと思うぞー。あとでテレカ買って来てやるから、スマホは我慢しろ。宿題も、後々泣きたくなきゃ今の内にするべきだな」
「そんなー。お兄ちゃんまでお母さんの味方なんだ?」
わざとらしく唇を尖らせる。
味方になってくれると思ったのに。
「直哉もそう言ってるんだから我慢しなさい」
「テレカがあったって、番号わかんなきゃ意味ないじゃん」
お母さんの言葉をムシしてボソッと悪態をつく。