また、キミに逢えたなら。
【シローside】
俺の言葉にビックリしたように目を見開く莉乃。
細くて華奢な肩が小刻みに震えている。
大きな瞳から零れ落ちる綺麗な涙を見て、心が大きく突き動かされた。
そうだ。
本当はずっと……
“病気だから仕方ない”
そう思って来たのは俺自身だった。
だからどんな運命も受け入れなきゃいけない。
色んなことを諦めて、病気だから仕方ないって思える心を持たなきゃいけない。
そうしないと辛いことを乗り越えられない。
未来に希望を抱いていた幼い頃の俺は、いつの間にか姿を消していた。
成長する度に諦め癖が付いて、投げやりになっていた弱い自分。