また、キミに逢えたなら。


心の奥がくすぐられる感覚がして、胸に言いようのない気持ちが込み上げる。



『莉乃のそばにいたい』


『そばにいてほしい』



そんな気持ちが溢れ出て止まらなくなる。



なぁ莉乃。


そう思うことは迷惑かな?



情けない俺なんかに


“生きてほしい”と言ってくれたキミの言葉が、ものすごく嬉しかったんだ。



キミの存在


キミの空気感は


俺に安らぎを与えてくれる。



一緒にいてそんな風に思える人は初めてなんだ。



「きっと……ドナーは見つかるからっ」



その瞬間、頬に触れていた俺の手に莉乃の手が重ねられた。



少しだけ震えているけど、必死にそれを隠そうとしているのがわかる。



真っ直ぐな瞳に真剣な顔。


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