また、キミに逢えたなら。
ああもう。
だからさっきから言ってんのに。
我慢出来なくなった俺は、無意識に莉乃の手を引っ張って抱き寄せた。
「!?」
体を強張らせる莉乃をよそに、両手を回してギュッと抱き締める。
自分でもなんでこんな大胆なことが出来るのか不思議だった。
「シ、シロー……君……?」
どうしたらいいのかわからない様子の莉乃に、クスッと笑みまで零れる。
いつからこんなことが出来るようになったんだ、俺は。
「もう少しだけこうさせて」
そう言って、さらにギュッと莉乃の体を抱き締めた。
莉乃は他の奴らとは違う。
俺の病気を知っても、離れて行くどころかきちんと向き合ってくれている。
綺麗な涙を見て、痛いくらいにそれが伝わった。