また、キミに逢えたなら。
幸せな時間
「はぁ」
テーブルに両肘をついて、手の上に顎を乗せる。
さっきから漏れる無意識のため息。
「さっきからため息ばっかりついて、一体どうしたの?」
「へへっ、なんでもない」
顔を覗き込んで来る瑠璃に、にやけながら返事をする。
えっと、にやけながらっていうのはわざとじゃなくて。
自然と顔が綻ぶんだ。
「なにその顔!気持ち悪いわね」
「き、気持ち悪いって……」
そう言われても怒る気になれなくて、やっぱり頬が緩んじゃう。
昨日からずっと、シロー君のことを考えてドキドキしてる。
目を閉じると浮かんで来る昨日の光景。
抱き締められた時の感覚が今でも鮮明に残っている。