また、キミに逢えたなら。


ずっと


ずっと見てたいよ、シロー君の横顔。



「見すぎだから」



スッと目を細めて笑うシロー君と窓ガラス越しに目が合う。


腕が触れそうで触れない微妙な距離感。



「ごご、ごめんっ」



パッとそらして慌てて前を向いた。


隣でシロー君がクスクス笑っているのがわかる。



ううっ。

恥ずかしい。



「本当はさ」



シロー君はいつの間にか私の耳元に唇を寄せて、イタズラッぽく笑って小さく囁いた。



「莉乃に逢いたかったから来たんだ」



「…………っ」



見上げたシロー君の顔は涼しげで余裕があるように見える。



私だけがこんなにドキドキしているのかと思うと、やりきれなさでいっぱいになる。


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