また、キミに逢えたなら。
上品な雰囲気をまといながら立ち尽くすその様は、まるでどこかの国の王子様のよう。
華やかなオーラを放っていて、シロー君のいる場所だけ違う世界の別の空間みたい。
いいのかな。
私なんかが隣に並んで歩いても。
なんて引け目を感じるくらいカッコ良い。
「行こ」
そんなことを考えていると、スッと手が伸びて来た。
それは手を繋ぐ時のシロー君のいつもの動き。
ドキッとしたけど
嬉しくもあって
絡まる指に全神経が集中する。
わー、手に汗かいたらどうしよう。
「そう言えばどっち行くんだっけ」
「え?あ、こっち……」
行き先はまだ伝えていないから、繋がっていない方の手で駅の北側を指差す。