また、キミに逢えたなら。
「なんか癒されるな」
いつの間にか同じように外を見ていたシロー君が呟いた。
耳にかかる吐息。
出っ張った喉仏が横目に見えて、改めてシロー君のことを意識する。
さらには低くて透き通った声が近くで聞こえてドキッとした。
左半身が熱いのは、きっと夏のせいなんかじゃなくて。
「そ、そうだね。“自然の中”って感じがするもんね!」
恥ずかしさを隠すように無邪気に笑った。
当たり前だけど顔は見れなくて、景色を眺めながら頬が熱くなるのを感じる。
「それもあるけど、一番は莉乃と一緒ってのが大きいかな」
!?