また、キミに逢えたなら。


もちろん見つかる可能性だってある。


けど、見つからないかもしれない。



その可能性の方がかなり高くて、それが当然の結果で普通のこと。



「なんとかドナーを……っ、ドナーを探して下さいっ!先生……っ、お願いします……っ」



ハッとした時には、母親が涙交じりに必死に訴えていた。



漏れる嗚咽。


必死な姿を見て胸が張り裂けそうになる。



「やめろよ、母さんっ……みっともないだろ」



そうだ。

みっともない。



「この子の為なら……っ、何でもします……!だから、どうか……どうかっ」



俺の制止も耳に入らないのか、母さんは深々と先生に向かって頭を下げ続けた。


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