また、キミに逢えたなら。
しばらくすると諦めたのか、神崎君は自分の教室へと戻って行ったらしい。
瑠璃がそう教えてくれた。
「神崎君って意外と一途なんだね」
「ねー!モテるから振られたら次々いくかと思ってたのに」
ミウとマイが興奮気味にそんなことを言っているのを、私は冷めた頭で聞いていた。
一途だったら、いきなり抱き締めたりして来ないって!
ただ軽いだけじゃん。
「例の彼とはどうなのよ?」
そんな二人をよそに、瑠璃がニヤリと微笑みながら聞いて来る。
「別にどうもないよ。進展もないし」
聞かれても決まって返事は同じ。
そう。
私とシロー君の間には何もない。
何も……。
「今日も行くんでしょ?」