また、キミに逢えたなら。
自転車通学の私達。
地元の住宅街を抜けて堂堀坂を猛スピードで下る。
心地良い秋の風が頬をかすめる。
カーブの先にある交差点の信号は青。
今日はついてる。
そのまま信号を突き抜けたら、後はひたすらペダルを漕ぐだけ。
「はー、やっと着いた」
ゼェゼェ言いながら瑠璃が汗を拭っている。
「帰りの方が大変だよ」
なんたって、あの坂を登らなきゃならないからね。
「う、それは今言わないで」
自転車を止めて病院の正面玄関に向かう。
夕方のこの時間帯は、外来が終わっているからかロビーはシーンとしている。