また、キミに逢えたなら。
エレベーターに乗ろうとすると
「莉乃ちゃん!」
後方から名前を呼ばれた。
振り返るとそこには、こっちに向かって大きく手を振る羽生君の姿。
「ちょっと!あのイケメンは誰よ!」
こっちに向かって走って来る羽生君を見て、瑠璃が興奮気味に私の背中をバシバシ叩く。
「ちょ、瑠璃!痛いから!シロー君の友達だよ」
「なんで私に紹介してくれなかったのよー!」
なんてブーブー唇を尖らせている瑠璃をよそに、近くまで来た羽生君に手を振り返す。
そして一緒にエレベーターに乗り込んだ。
「あ、えっと。同じクラスの瑠璃だよ。こっちはシロー君の友達の羽生君」
そう言って二人の顔を交互に見ながら紹介する。
「どうも、莉乃の親友の石田瑠璃でーす」
瑠璃は羽生君を見て終始目を輝かせっぱなしだった。
「あ、羽生保っす」
羽生君も緊張しているのか、少しかしこまったような感じになってる。