また、キミに逢えたなら。
「莉乃も付けてるよね、ピンクのやつ」
「う、うん」
恥ずかしくて声が小さくなる。
なんだか照れくさい。
シロー君の様子をちらりとうかがうと、目が合って余計に恥ずかしさが増した。
そんな私を見てクスッと笑う。
「へー、そういうことね」
瑠璃は意味深にそう言うとカバンを持って立ち上がった。
その顔には、何かをしでかしそうなほどのイタズラな笑みが浮かんでいる。
「そろそろ塾の時間だから行くね。莉乃はごゆっくりー」
「じゃあ俺も帰ろっかな」
つられて羽生君も立ち上がる。
良かった。
何事もなくすんなり帰ってくれそう。
「あ、そうそう。ずっと言おうと思ってたんだけど」
クルッとこっちを振り返った瑠璃は、とても真剣な顔をしていた。
「神崎君ともう一度ちゃんと話した方がいいよ」
「えっ!?」
そう言われてギクッとした。
それは図星を突かれたからとかそんなんじゃなくて、後ろにいるシロー君に聞こえたんじゃないかって不安になったから。