また、キミに逢えたなら。
儚くて消えてしまいそうなほど弱々しいその横顔。
なぜそんなことを言うのかわからなかったけど、それ以上踏み込んではいけない気がして何も言えなかった。
「いいよ、別にわかってほしいとも思ってないし」
未だにわからなくて頭を悩ませる私を彼は冷たく突き放す。
なんだか嫌味な言い方。
心配してるのにさ。
いいもーんだ。
「じゃあ寝るよ。おやすみ」
あれこれ考えていると、結城君はスッと立ち上がって歩き出した。
「あ、お、おやすみ……!」
慌ててそう言ったけど、遠くまで行ってしまっていたからその背中が振り返ることはなかった。
なんだったんだろう。
よくわからないけど気になる。
そして
姿が見えなくなっても、ドキドキはいつまでも治まらなかった。