また、キミに逢えたなら。
「いいのよ、謝らないで。娘も……樹里もあなたに会いたがってたから」
深く頭を下げる私に、樹里ちゃんのお母さんが言った。
「今頃は、会えて喜んでると思うの」
その言葉にまたじわじわと涙が浮かぶ。
そしてそれは、頬を伝ってテーブルの上にポタッと落ちた。
顔を上げると樹里ちゃんのお母さんも涙を拭っていた。
「今まで樹里を……っ、支えてくれて本当にありがとうっ」
「いえっ……私は、なにも」
そう。
私は何もしていない。
何も
何も出来なかった……っ。
悔しくて俯く。
もっともっともっと
樹里ちゃんに会いに行けば良かった。
もう会えないってわかってたら
毎日でも行ったのに。
もっともっと
なにか出来たはずなのに。