また、キミに逢えたなら。
そんな後悔が胸に押し寄せて、涙がとめどなく溢れた。
歯を食いしばって必死に耐える。
樹里ちゃんのお母さんの方がずっと辛いはずなのに、気を使わせてしまっていることが申し訳ない。
「そんなこと、ないわ。あれほど嫌がってた入院生活の中で、笑顔を見せるようになったのは……莉乃ちゃんとシロ君が居てくれたからだと思うの」
…………っ
胸が締め付けられた。
樹里ちゃんが笑顔を見せるようになったのはシロー君が居てくれたからで、本当に私は何もしていない。
それでも必死にそう言ってくれた樹里ちゃんのお母さんを見て、それ以上何も言えなかった。
ただ
涙が止まらなかった。
シロー君も隣で声を抑えながら泣いていた。