また、キミに逢えたなら。
シロー君の涙。
それは
綺麗な綺麗な涙だった。
処置を終えた樹里ちゃんのお迎えが来たのは、それから2時間後のこと。
私とシロー君は、樹里ちゃんの両親に了承を得てそばにいさせてもらった。
その間樹里ちゃんのお母さんはポツリポツリと話してくれた。
生まれつき心臓が悪かった樹里ちゃんは、小学校入学まで生きられるかわからないと言われていたこと。
幼稚園や小学校に満足に通えなかったけど、樹里ちゃんはいつでも明るくて家族の希望の光りだったこと。
いつもいつも
樹里ちゃんの笑顔に元気付けられていたことを、嗚咽を漏らしながら話してくれた。
そして今回が最後の入院になるので覚悟して下さいと言われたこと。
私が退院してから、樹里ちゃんは病室から出れない日が続いていた。
退院してから会ったのは3回だけ。
だけど、樹里ちゃんはいつでも笑顔を絶やさなかった。
きっと辛かっただろうなと思うと、涙が止まらなかった。