また、キミに逢えたなら。


冷たいアスファルトに体が打ち付けられ、あまりの痛さに意識が遠退きそうになる。



全身の血液が外へ流れ出して、一気に血の気が引いた。




薄れ行く意識の中、ブレザーのポケットに手を伸ばして、中にあるものをギュッと握る。



そして目を閉じたその瞬間、急に全身が温かい光に包み込まれたような感覚に陥った。



この温もりは


ああ、そうだ


シロー君にそっくり。




そう


シロー君の……


へへ、腕の中にいるみたいだよ。




そして私は


そのまま意識を手放した。

< 347 / 418 >

この作品をシェア

pagetop