また、キミに逢えたなら。


【シローside】


ピッピッピッピッ


たくさんの機械音が部屋中に鳴り響くのを、かすかに残る意識の中で聞いていた。



目を開けようとしてみても、体がいうことを聞いてくれない。


指先をピクリと動かすことさえ出来なくて、ただ体を横たえているしかなかった。



気を抜くと意識さえも失ってしまいそうで怖い。



自分がもう長くはないということを、自分で一番良くわかっている。


周囲の声も今は耳に入らない。


ざわざわと騒がしい気がするのに不思議だ。


機械の音しか聞こえて来ない。


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